脳室周囲白質軟化症(PVL)って何?

PVL(脳室周囲白質軟化症)とは

このサイトに記載されている記事は、PVL児の母が調べて理解したものを記載したものです。
あくまで素人の知識であることをご承知おきください🙇‍♀️

息子がPVLと診断された時、あまりにもPVLについての情報が少なく、理解するのに多大な時間が必要でした。

PVLって病気なの?治るの?何をする必要があるの??
疑問だらけで、検索しても出てくるのは鍼灸院のサイトばかり。
論文を読んでも良く分からず(当たり前ですが😂)、インスタや入院で知り合った同じPVL児のママや、PTさんやOTさん、先生方から教えてもらいながら、少しづつ理解していきました。

そして今思うのが、PVLについてまとまっているサイトやブログがあったら
どんなに気持ちが楽だっただろうかということ。

この記事では、お子さんやお孫さん、受け持ったお子さんがPVLと診断された先生など、PVLについて知りたい方が少しでも楽になるように、
私なりに調べて理解した情報をまとめていきたいと思います。

PVLって何?

まずはPVLって何?というところから。

日本語では脳室周囲白質軟化症という疾患

PVLとはPeriventricular Leukoma—laciaの略で、日本語では脳室周囲白質軟化症といいます。
脳室周囲白質軟化症とは、脳の「白質」といわれる部分のうち脳室周囲にある部分に生じる虚血性変化のこと。

白質??虚血性??

聞き慣れない言葉ですよね
もう少し詳しくみていきましょう

脳に血液を届ける血管には脳の表面から脳の深いところにある「脳室」と呼ばれる部位に向かうものと、脳室側から脳の表面に向かうものがあります。小さく生まれた赤ちゃんの血管は未発達ですので、これらの血管からの血流が少ない「白質」と呼ばれる部位は血液が不足し、ここに存在する細胞はダメージを受けてしまいます(図)。

特にこのダメージが大きい場合は、麻痺などの後遺症を残すことがあります。
脳室周囲白質軟化症は傷害の受け方によってびまん性(広がるもの)と、嚢胞性のうほうせい(袋状になるもの)に分類されます。

検査は重症なものは超音波検査でわかりますが、退院前にMRIを撮像して判明するものもあります。赤ちゃんが在胎期間28週未満や1,500g未満で生まれた場合は、退院前に頭部MRIで確認することが多いです。

残念ながら根本的な治療はまだありませんが、退院のときに判明していればリハビリなどの介入が早めにできる可能性がありますので、検査を受けるメリットはあります。

はじめてのNICUより

つまり、妊娠中から生後4週間以内のあいだに、何らかの原因で赤ちゃんの脳に酸素や血液がうまく行かない状態になり、脳の中の白質という部分がダメージを受けてしまう疾患がPVLで、このダメージが原因で手や足の運動や姿勢の異常が起こる障害が脳性まひです。

※ダメージを受けてしまう=分かりやすく言うと、壊死してしまいます

脳性まひの原因のひとつがPVLなのですね
※脳性まひに至らないPVLもあり

PVL(脳室周囲白質軟化症)について分かりやすくいうと

  • 在胎32週以下の早産児に多く見られる
  • 出産前後に脳の中の白質という部分がダメージを受けてしまう疾患のこと
  • 原因は、赤ちゃんの脳への酸素や血液が滞ってしまうため
  • ダメージの大きさによっては脳性まひとなり、主に運動機能に障がいが起こる
    (知的発達の遅れや言語障害、てんかん、視覚や聴覚などの障害を伴うことも)

PVLは病気なの?という疑問に関しては、私もいまだに正解がわかっていません。
疾病・疾患・病気の意味に大きな違いはないので、PVLは病気といってよさそうですが
脳性まひに関しては「後遺症」になるようです🤔

PVLにはどんな症状があるの?

では、PVLが原因の脳性まひ(長いので以降PVLと記載します)の場合、どのような症状がでるのでしょうか?

はじめてのNICUより

この画像にある通り、”PVLが出来やすい場所”というものはありますが、ダメージの場所や大きさはさまざまです。(お子さんによって、まひの出方や重さは全く違うのが本当に難しいところ😥)

しかし、ある程度の共通項があります。

1. [共通項]足に痙性麻痺という緊張が強く出ることが多い

小児障がい児特化の鍼灸マッサージ師 辻瑛一ブログより

上図の通り、PVLの出来やすい脳室周囲の白質は運動野から(特に下肢から)の神経線維がたくさんあるため、特に足に痙性麻痺という緊張が強く出ることが多いです。

※痙性麻痺については、次の「補足:痙性麻痺とは?」で詳しく説明します。

痙性麻痺があると、筋肉が過度に緊張して体を動かしにくなってしまいます。
つかまり立ちや歩行時に常にカカトが浮いていたり(尖足)、歩こうとすると足がクロスしてしまい自分の足に引っかかってしまったり(ハサミ足)、普通に座って遊んでいるだけなのに足のつま先に力が入ってギューっとなってしまったり、そもそも足が思うように動かなかったり…
筋肉が過度に緊張することで、日常のあらゆる動きが難しくなります。

以下は息子の例です。
尖足、ハサミ足、足や手先の緊張が全て出ています。

2. 体幹や上肢にまひが出たり、精神発達遅延やてんかんを伴うことも

ダメージの範囲によっては、体幹や上肢にまひが出ることもあり、知的な発達の遅れが出る子もいます。
合併症として、精神発達遅滞やてんかんを伴うこともあります。
まひの出方自体も個人差が強く、手先や足先や足首周りには力が入り過ぎてしまう+体幹の筋肉がうまく使えずぐにゃっとしている状態が組み合わさったり(息子はこれ)、左右差が出たりと様々です。一人で歩ける子もいれば、難しい子もいます。

このあたりは、理学療法士の奥田先生のインスタポストがとても分かりやすいです!

本当に個人差が大きいので、今後について聞いてみても、先生がハッキリと明言する事は少ないと思います。
お子さんが小さい場合は、これからどんな風に成長するのか不安でいっぱいだと思いますが
リハビリをしっかりと続けながら、今出来ることを積み上げていってくださいね。

個人的には、4歳(年中さん)くらいになると何となく今後が見えてくるように思います。
いつか、PVL児のママたちに症状の経過についてアンケートなど取ってみたいなと考えています。

3. 思った通りに体を動かせず、姿勢を保つことも難しい

脳性まひは運動機能の障害と表現される通り、総じて体をうまく使えません
ただ足の緊張が強くて手が動かしにくいというだけではなく、思った通りに体を動かせず、姿勢を保つことが難しいのです💦

ひとりで座れる子、立てる子、歩ける子、
運動発達の程度はさまざまですが、バランスをすぐに崩してしまう子がとても多いです。

息子も、普通に座っているように見えても、姿勢を変える際にバランスを崩して後ろに転がってしまうことが良くあります。

普通の子は体の中枢が安定していて手足などの末梢はフリーに動く。
PVLの子は逆で、中枢がグラグラで末梢が動かない子が多い。

↑これは、以前PTの先生が言っていたことなのですが、まさに息子がこの状態😂
このアンバランスさも、体がうまく動かずバランスが取りにくい原因のひとつなのかもしれません。

4. 視覚認知機能に問題が出ることも

脳のダメージの程度によると思いますが、視覚や空間認識に問題がある子も多いです。
奥田先生のポストによると、PVL児の半数近くに視覚異常がみられるとのこと(多い!)

息子も例に漏れず、斜視があり、空間認識がとても弱いです。
”眉毛の下に目がある”など顔の構成は分かっているようですが、顔の絵は輪郭すらないグチャグチャの線になり、左右の絵を見比べる間違い探しや、見本の通りに積み木を積むことがとても苦手です。
視野も狭く、自分のすぐ脇にあるものほどよく見失います😅

まだ小学校に入学していないので分かりませんが、
縦書きの文章を読んだり、黒板と手元を見比べたりするうちに、さっきまで見ていた場所を見失ってしまう可能性が高いと言われています。

特に、注意したいのがPVL(脳室周囲白質軟化症)です。
「PVL=下肢の麻痺」というイメージが強いですが、視覚認知に問題が生じたり、目と手の協応が弱く手先が不器用になったりすることがよくあります。

パラマナビより

上記の通り、「目と手の協応が弱い」もあります!
分かりやすく言うと、横に長い線を引いている時、途中で自分の手を見失ってしまい、線の最後がへにょっと曲がってしまったりします。

PVLの症状についてのまとめ

  • 下肢に強い運動麻痺を起こすことが多い
    • 筋肉が過度に緊張して体を動かしにくい
    • カカトが着かない(尖足)
    • 歩行時に足がクロスする(ハサミ足)
    • 手や足に異常に力が入る
    • 腰を上げてつま先を使うハイハイが難しい
      • ずり這い
      • うさぎのようにぴょんぴょん飛ぶような移動(バニーホッピング)
  • 重力に逆らって体を持ち上げる力が弱い
  • 体幹や上肢にまひが出ることもある
  • 視覚や空間認識に問題が出ることもある
    • 手と目が協応することが難しい
  • 知的な発達の遅れが出る子もいる
  • てんかんを伴うこともある
  • とにかく個人差が強い!
  • とにかく個人差が強い!!

補足:痙性麻痺とは?

痙性麻痺とは運動麻痺のひとつです。
筋肉が必要以上に緊張し、突っ張った状態となっていることが多いようです。

『痙性麻痺』では筋緊張が亢進します。筋の張力が異常に亢進しているため、他動的に(第三者によって)動かしたときに抵抗感が強いという特徴があります。

協創リハビリテーションを考える会

もう少し詳しくいうと、PVLの子は、
筋肉には問題がないが、筋肉を動かすための神経経路に問題があるため、上手く力を発揮できません。

「かかとを着けて!」「力入れないで!」と注意されても、本人が意識してコントロール出来る問題ではないのです💧

緊張の強い子あるあるですが、スーパーの子供が座れるカートを内腿で挟み込んでしまって足が抜けなくなったり、足を入れるバー付きブランコからやっぱり足が抜けなくなったり、
おむつやズボンが内腿で締め付けられて脱げなかったり、
バギーに座っている時に何かに興奮して足がピーン!となってどなたかを蹴ってしまったり…😇

ちょっと!力抜いてくれ〜〜と言いたくなりますが、本人もコントロール出来ないんですよね💦

成長に応じて緊張は強くなっていく

痙性麻痺が特にやっかいな点はこの辺りだなと思っています😥
成長に応じ、筋力が強くなるにつれて筋肉の異常緊張も強くなり、二次障害を引き起こす可能性が出てきます。

2-3歳頃までは、体を持ち上げる力が弱さや、バランス、姿勢を上手く保てないことなどが主な症状であるため、寝返り・四つ這い・座位、膝立ち・歩行などの基本的な運動、姿勢の維持の練習を行い、運動発達を促していきます。

しかしながら4-5歳頃になると、加えて筋肉の緊張も明らかなり、運動発達がなかなか進まなくなってきます。

さらには10歳を過ぎてくると、身長や体重の増加、四肢の変形、固さの出現により、今までできていた動きや日常生活動作が難しくなってきます。

佐賀製肢学園 こども発達医療センター

「痙縮」が大きな問題になる

PVLでは脳の損傷そのものは進行しませんが、痙縮とよばれる状態になってしまうと、腱の短縮や関節の拘縮が引き起こされたり骨が変形したり、脱臼することがあります。

尖足が強く常にカカトが引き上がった状態で反対の力がかからない状態がずっと続くと、足の腱が短くなってしまいます💦

また、股関節周囲の異常筋緊張により股関節が亜脱臼〜脱臼するリスクもあります。

痙縮[痙性麻痺]とは、運動の障がいの一つです。
痙縮は、脳や脊髄の病気により、「筋肉を収縮させる指令」と「筋肉を緩ませる指令」 が体にバランスよく伝わらなくなってしまうことが原因とされています。
小児期では、特に脳性麻痺の患者さんで、痙縮は大きな問題となります。
痙縮により手足の関節が変形したり、固く動かなくなったり、 脱臼の原因になることや背骨の側彎を起こすこともあります。

日本小児神経外科学会

痙縮を限りなくゼロにすることが大切

PTの奥田先生の受け売りになりますが、下肢については、筋のボリュームもありパワーも強い下腿三頭筋の痙縮を限りなくゼロにすることが重要だそう。
下腿三頭筋は「腓腹筋(ひふくきん)」と「ヒラメ筋」という2つの筋肉の総称で、主に足のつま先を下に向ける働きをする筋肉です。

下腿三頭筋とその働き

この筋肉の異常筋緊張が高い度合に進むと、動きとして痙縮が起こったりします。
つま先を下に向ける働きが強くなってしまうので、結果尖足になるのですね。

難しい言葉ばかり…

何となくでもOK
頭のどこかに入れておくと、リハで何をしているのかが理解しやすくなります♪

ポイントは
  • 痙縮が動きとして起こりやすい筋は、ボリュームの大きな筋やパワーの強い筋
  • 痙縮を引き起こさない、抑制しながら限りなくゼロにすることが大切
  • その子の体の状態を理解し、痙縮を引き起こさないために、どんなリハをして日常の動き方を変えるのかを考えて実践してくれるPTの先生のもと、相談しながらしっかりとリハビリを続けていくことが最も重要!

PVLの診断方法

それでは、PVLだと診断されるのはいったいいつ頃なのでしょうか?

病院によっては、NICU入院中にCTやMRIを撮影してすぐに診断が下りるケースもあるようですが、
首がすわらない、座れない、寝返りやハイハイ、立つなどの運動がとてもゆっくりしていたり、体の固さが目立ってくることで、検診やかかりつけの病院の先生に相談し診断につながることもあります。

出生歴:未熟児だったかどうか、分娩時に異常はなかったかなど
子どもの観察:年齢相応の発達をしているかなど
筋肉の緊張や反射異常をみる検査

また、MRIやCTなど脳神経の画像検査は、脳性麻痺の原因を確定するための有効な手段としてよく使われています。

LITALICO発達ナビより

息子の場合は、「疑い」の診断がついたのが1歳5ヶ月ほどでした💧

早産児だったため、毎月フォローアップの検診に通っていましたが、
寝返りがとても遅く(1歳2ヶ月)、パラシュート反応が出ないなどの明らかな発達の遅れがありました。

1歳5ヶ月ほどで地元の発達センターに紹介してもらい、そこで初めてPVLという言葉を聞き、
正式にPVLと診断されたのは、MRIの撮影に成功した2歳の頃でした。

赤ちゃんの発達には個人差があるものですが、不安を感じるなら
保健センターの健診時や、かかりつけの先生に相談してみることをおすすめします。
先生からは様子見の指示が続くけど不安が止まらない…そんな場合は、地域の発達支援に相談してみる、
または発達支援への紹介状を医者に書いてもらうのもひとつの手です。(うちはこのパターン)

治療法はあるの?

PVLの根本的な治療法は現在はありません
壊死し、軟化してしまった脳は元には戻りません😢
(ダメージが少ない場合は、PVLと診断されても何も後遺症が出ない子もいます)

脳の神経は一度傷つくと新しくできませんから、その分だけ働きが少なくなって、後遺症として障害を残します。

大阪発達総合療育センター

ただ、脳、それも子供の脳はとても大きな可能性を秘めています。
ダメージを受けた部分の機能を他の脳細胞が補ってくれることもあるため、いかに残っているネットワークを働かせるかが大切とのこと。

残っている脳を正しく発育させることが、最も大切な、そして、有効な治療です。

それには、脳性まひの子どもの手足を正しく動かし、正しい姿勢をとらせることです。多くの物に触ったり、見たり、聞いたりすることも大切です。これらのことをすることを、リハビリテーション、または療育とも言います。

大阪発達総合療育センター

つまり、リハビリがとてもとても大切なのです。
それも質の良いリハビリがとても大切だと個人的には思っています。

PVLと診断されたら、早くからリハビリを

質が良く信頼できてお子さんとの相性が良い(意外ととても重要)セラピストを見つけることが最終的には大切だと思いますが、
まずは、理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語療法(ST)などのリハビリを続けることが重要です。
放っておいても子供は育つという言葉もありますが、PVLの場合は残念ながらそうもいかないケースがほとんど😂
(状況を知らない人にこの言葉言われるとイラッとしますよね〜笑)

リハビリで残っている脳を正しく育て、ネットワークを作ることで、体も心も発達していくので
いかに早くからリハビリを始めるかがとても大切だと数々の先生から言われました。

筋肉を緊張したままにしておくと、筋肉が硬直してしまって改善しづらくなってしまいます。この状態は、さらなる筋肉や関節の硬直をもたらすので、早期からの治療・療育がとても大切になってきます。

LITALICO発達ナビより

そして、リハビリを続けるものの伸び悩んできたり、なかなか成長が見えなかったり、これでいいのかな?と不安に思う気持ちが出てきたら
自費リハや訪問リハなど、新しいセラピストの先生と出会える場所に行ってみるのもおすすめです。

リハビリについては、別途また記事にしようと思います!

リハビリ以外で出来ることは?

痙縮への整形外科的アプローチ

ボトックス注射や筋解離術(手術)、SDR(手術)など、痙縮に関してはいろいろな治療法があります

こちらに関しては、勉強不足のため今は詳細を書くことができません🙇‍♀️
引用を交えざっとまとめておきますが、多くのPTさんが言うのは「リハビリを早いうちから積極的に行って手術を避けることが重要」ということ。
個人的にもその考え方にはとても同意です!

ボトックス治療

比較的よく聞くのがボトックス治療。

ボツリヌス菌が作り出す毒素(ボツリヌストキシン)を注射して、緊張している筋肉を麻痺させ、筋肉の緊張によって起こる様々な症状を改善する治療方法です。

愛知県

筋肉自体への薬の影響はなく、運動神経の麻痺も4-6か月後には回復するため、治療の効果は一時的です。

日本小児神経学会より

効果は注射後、数日から2週間で現れ、通常3~4ヵ月持続します。1〜2ヵ月をピークに、時間が経つにつれ徐々に効果は減弱消失してきます。再投与することで再び効果は現れますが、薬に対する抗体が体内に産生されないように、投与間隔は最低でも3ヵ月は空けるようにします。

ボツリヌス治療は保険適応の治療ですが、比較的高額なため、事前に充分な説明を受け、納得してから治療されることをおすすめします。

千葉県千葉リハビリテーションセンターより
筋解離術

筋肉の緊張が強くなってくる5〜6歳頃の手術を整形外科の先生から勧められる方が多いイメージ。

筋解離術は、筋肉や腱を延長する手術ですが、関節可動域が改善するだけでなく、筋緊張が改善し、股関節脱臼が改善する効果も期待できます。

腱切りとは、筋解離術のことですが、筋肉のバランスを整える手術です。

就学前の手術を勧められる事が多いです。
あくまで筋肉の異常な緊張を改善するための手術で、その後のリハビリがとても重要なため、手術とその後のリハビリのための入院がセットとなっている印象があります。

術後ギプスをするため一度筋力が落ちてしまい、それが回復するのに半年かそれ以上時間がかかるという話でした。

筋肉や腱にアプローチする手術となり、再発する可能性があります。
小学校高学年あたりに筋緊張が戻ってきてしまい再手術する子が多いという話も聞きますが、実際のところどうなんでしょう…
(私が整形外科の先生に聞いたときは、9割ほどが1回の手術で効果を感じていると言われました🤔)

選択的脊髄後根遮断術(SDR)

関西圏では、ボバース記念病院で適応と診断され沖縄で手術する方が多いイメージ。
その場合、沖縄で手術〜リハビリ入院1ヶ月+ボバース記念病院で2ヶ月のリハビリ入院が基本のようです。

主に脳性麻痺による下肢の痙縮に対して、下肢機能を改善させることを 目的に行われる脳神経外科手術です。

主に下肢から脊髄に入ってくる感覚神経を脊髄に入る直前で切断して、 脊髄反射を起こりにくくし、麻痺を引き起こすことなく痙縮を軽減させる方法です。 成人では感覚障害が起こってしまうため、行われることは少ない手術ですが、 小児では術後の筋力低下、感覚障害や排尿・排便の問題も回避できるため、 有効とされています。

日本小児神経外科学会より

再生医療

外科的アプローチとは全く異なるのが再生医療です。
こちらは、幹細胞を使って脳性麻痺を機能改善するという治療となり、今まさに世界中で研究されています。

まだまだ研究段階ではありますが、大きな期待を持って見守っている方も多いのではないでしょうか。
研究の成果によっては、「脳性麻痺の根本的な治療法はない」という現状が覆るかもしれません😧

2006年、Duke大学のKurtzberg 研究室で、出生時に凍結保存した自己臍帯血の中に含まれる幹細胞を輸血することで脳性麻痺を機能改善するという画期的な治療法が開発されました。
その極めて高い有効性から、現在アリゾナ大学、ジョージア医科大学、カリフォルニア大学でも臨床研究が開始されています。

高知大学医学部先端医療学推進センターより

幹細胞から出る物質は損傷した場所の炎症をおさえたり、血管や神経のネットワークを新たにつくったりするはたらきがあるとされ、脳障害などの改善をめざす研究が米国で進んでいる。高知大でも脳性まひの子どもに本人の臍帯血を使う臨床研究をしていて、効果が一定程度確認されているという。

朝日新聞デジタルより

日本でも、高知大学が本人や兄弟の臍帯血を移植する臨床研究を行なっているほか、
ドナーの乳歯(乳歯歯髄幹細胞)を使った脳性麻痺の機能改善の研究や、Muse細胞を用いた治療の研究など、さまざまな研究が行われています。

2023年現在、再生医療の治験や治療を受けられるクリニックは世界中にいくつもあるようですが、
研究をリードする症例が豊富な病院から、怪しさ満点(笑)のところまで、よいものと悪いものが入り乱れているような状態です。

私が知っている限りになりますが、有名なところでは以下の名前をよく聞きます。

  • 本人または兄弟の臍帯血を保管している場合
    • 日本 高知大学
    • アメリカ デューク大学
    • パナマ
  • ドナーの臍帯血を利用する場合
    • ロシア
  • 本人の骨髄から幹細胞を採取
    • メキシコ

息子の場合は、兄弟臍帯血も本人の臍帯血も保存していなかったため、ロシアでの治験に参加しドナーの臍帯血を移植する治療を2回受けました
詳しく知りたい方は「臍帯血治験」カテゴリーをご覧ください。

その他

鍼灸やマッサージなど、数多くのアプローチが世の中には存在します。
息子も、PVLは完治する!と言い切る有名な鍼灸に3年ほど通い詰めました。

結果、思うこと。
効果が出る人もいれば、出ない人もいます。
難しいのが、「効果がなかった」とは言い切れないこと。
何が合うかはその子やご家庭次第たと思うので、色々と試してみるもの良いと思います♪

ただし、PTやOTからは離れないこと。
続けるのなら、無理のない範囲で、撤退ラインを決めておくこと。
この2つが大切かなと思っています。

一度は続けたものを止めるには、なかなかに強い意思か大きなきっかけが必要です。
○ヶ月大きな進展がなかったら一旦休止してみて検証する、と最初に決めておくと心が楽になります…

PVLのお子さんと向き合うパパママへ

情報収集とつながり

息子がPVLと診断されてから、私はずっと孤独を感じていました。
リハビリや療育で忙しくしていても、PVLについて話せる人がほとんどいないことが本当に辛かったです。どうやったら同じPVL児のパパママと知り合えるんだろう?と悩んでいました。

Instagramと親子入院

誇張でもなく世界が開けたのは、InstagramでPVLアカウントを作って同じ疾患の方と繋がるようになってから。

そして、親子でリハビリのために4〜8週程リハビリ施設や病院に入院する「親子入院」を経験してからでした。

世の中には、PVLの子を一生懸命育てていて、楽しんだり悩んだり迷ったりしながら日々を過ごしているパパママが沢山居るということを知りました。
リハビリのこと、日々の工夫のこと、気持ちの持ちかたなど、たくさんのことを教えてもらっています。

親子入院はハードルが高いかもしれませんが、Instagramはアカウントを作るだけ!おすすめです😊

おすすめのコミュニティやアカウント

たくさんの情報を発信される先生や、活発に意見交換されるコミュニティに参加すると、どんどん知識が増えて、様々な選択肢に気づくことが出来ます。

理学療法士 奥田先生のInstagramアカウント

さまざまな疾患や療育に役立つ知識を発信されています。
リアルでは、東京で「ハビリテート」という小児リハ・児童発達支援をやっていらっしゃいます♪

@habilitate00

NPO法人サードプレイス

https://thirdplace-npo.com/

脳性麻痺児を持つ親のオンラインコミュニティサロン

精力的にオンライン勉強会を開催されているほか、
LINEワークスにて障害児を持つ親御さんのコミュニティの場を提供され、さまざまなトピックについて活発に意見交換や体験談の共有が行われています。

高知大学の教授を招いての臍帯血治験に関する勉強会など、貴重な勉強会が数多く開催されています。
年間会費2,000円の賛助会員は勉強会無料です。特に、再生医療に興味あるなら入るべき!!

ボバース記念病院オンライン脳性まひ講演会

ボバース記念病院の医師やリハビリの先生が講師となり、毎月オンラインで(コロナ禍より)講演を配信しています。
さすがボバース。ためになる内容が盛りだくさんです。

※毎回ネットからの申し込みが必要です。

まとめ

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。

PVL noteでは、これからも親子入院についてやPVLの人が受けられる支援など色々な記事を追加する予定です。
使える支援や頼れる場所をたくさん増やして、頑張りすぎずに頑張っていきましょうね。

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